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WX05のクレードルの効果を検証して分かった『まゆつばだった』現実

WX05のクレードルの効果を検証して分かった『まゆつばだった』現実

WX05のクレードルに「別売りで買うほどの価値があるのか」気になりますよね。

正直言うと「私はクレードルを買って後悔しかありません。」残念ながらなんの効果も感じませんでした。

他のサイトは「通信速度が速くなった」「通信品質が安定した」と紹介しているところが多いですが、完全に期待はずれでした。

ここではWX05のクレードルの効果を検証するために、以下の3つのテストを実施しました。

  • 電波受信レベル
  • Wi-Fi接続の通信速度
  • LANケーブル接続の通信速度

クレードルの効果に期待してWX05で契約しようと考えている方は、契約前にぜひご覧ください。

後継機「WX06」発売

2020年1月にWX05の後継機Speed Wi-Fi NEXT WX06が発売されました。

最大通信速度やバッテリー容量は変わりませんが、私は実際に使って「WX05より通信品質が安定して完成度が高い」と感じました。クレードルも補助アンテナが強化されてパワーアップしています。

今購入するなら絶対にWX06+クレードルです。詳しくはWX06 レビューをご覧ください。

目次

  1. WX05クレードルの効果「理想と現実」
  2. 【検証1】電波受信レベルは良くなるのか
  3. 【検証2】Wi-Fi接続で通信速度が変化するか
  4. 【検証3】LANケーブル接続で通信速度が変化するか
  5. 【結論】WX05のクレードルは買う必要ない
  6. ホームルーターの中古がおすすめ

WX05クレードルの効果「理想と現実」

WX05のクレードルは取扱説明書に「WX05クレードルでできること」として以下の記述があります。

WX05 クレードルの取扱説明書

「充電することができます。」「有線LANで接続することができます。」など当たり前のことの他に、

「クレードルアンテナ(無給電 非接触アンテナ)により、WAN側回線(WiMAX2+)と無線LAN(Wi-Fi)側の通信性能が向上します。」と書かれています。(上写真の赤枠部分)

↓これが実際のWX05クレードルで、両サイドの透明なパネルが非接触アンテナです。

WX05 クレードル

この非接触アンテナの効果で「Wi-Fiの通信性能が向上する」というのが、WX05クレードルの理想とする効果の代表格です。

私もこの効果を期待してクレードルを購入したんですが、現実は期待はずれでした。

WX05クレードルの期待はずれな現実

WX05のクレードルを買って試して分かった現実は、

  • 電波受信レベルが良くならない
  • クレードルを使ってWi-Fi接続しても通信速度が変わらない
  • LANケーブルで接続しても通信速度が変わらない

「・・ない」が3つも揃ってしまいました。

WX05クレードルに期待していただけにとても残念でした。

ここからは「効果の検証方法と結果」を詳しく解説します。

【検証1】電波受信レベルは良くなるのか

まず、WX05単体とクレードルに装着した場合とで、電波受信レベルが変化するのかを検証しました。

色んな電波状況でテストするために、自宅だけでなく車にカーインバーターを付けていろんな場所でテストしました。

WX05 電波状況が悪い場所

チェックしたのは4段階のアンテナ表示ではなく、12段階で表示してくれる電波インジケータ―です。

【結果】電波受信レベルはほとんど変わらない

本体をクレードルに差したら「すぐ3、4レベルアップする」のを期待していたんですが、良くなっても1、2レベル程度でした。

WX05をクレードルに差して電波受信レベルが良くなったケース

しかも、毎回良くなるわけじゃなくて、悪くなったケースもありました。

WX05をクレードルに差して電波受信レベルが悪くなったケース

全くもって期待はずれな結果で「電波受信レベルが良くならない」とわかりました。

ただ考えてみれば、どこにも「クレードルで電波インジケータ―のレベルが改善する」なんて書いてないので、この検証項目は私の期待から派生した検証です。

「通信性能が向上するなら電波受信レベルも変化するだろう」と考えたんですが、私の早とちりだったようです。

次は肝心の「通信速度がクレードルの有無で変化するのか」です。

【検証2】Wi-Fi接続で通信速度が変化するか

WX05単体とクレードルに装着した場合とで、Wi-Fi接続(無線LAN接続)の通信速度が変化するのかを検証しました。

これは【検証1】で電波受信レベルをチェックした直後に毎回テストしましたので、結果がリンクしています。

ZenFone5とWX05+クレードル

テストに使ったのは私のAndroidスマホ ASUS ZenFone5で、アプリはOokla SPEEDTESTです。

【結果】通信速度はほとんど変わらない

通信速度の変化を一番期待していたんですが、ほとんど変わらないという結果で非常に残念でした。

スピードテストの結果を表にまとめました。

本体のみ クレードルあり
電波受信レベル 下り 上り 電波受信レベル 下り 上り
1回目 10 29.9 4.97 9 26.2 5.73
2回目 7 14.8 1.78 9 16.6 2.11
3回目 9 30.4 2.68 9 13.8 2.24
4回目 3~4 11.7 0.56 6 30 0.78
5回目 11 50 7.7 11 57 6.8
6回目 7 43.1 1.89 4 10.5 0.26
7回目 3~5 48.9 1.3 4 9.39 0.33

太字の数値が勝っている方です。勝敗は下り・上りの速度は4勝3敗で本体のみの勝ちという結果になりました。

数値を細かく見ると、3回目・6回目・7回目は本体のみの圧勝で、クレードルが勝っている3つのうち大差がついているのは4回目だけです。他2つは誤差とも言える差しかありません。

私はもっとハッキリ「クレードルありの速度がガツンと上がる」と期待していたので、とても残念な結果でした。

端末から離れてテストしても結果は同じ

端末を置いた場所から直線距離で6~7メートル、壁2枚を挟んだ場所に離れてスピードテストしてみました。

クレードルで通信性能が向上するなら、「過酷な状況の方が差を感じられるかもしれない」と考えたからです。これも結果を表にまとめました。

本体のみ クレードルあり
電波受信レベル 下り 上り 電波受信レベル 下り 上り
1回目 4 19.1 1.62 3 19.1 0.91
2回目 6~7 22.6 1.2 5~6 22.7 0.78
3回目 4 25.4 0.7 3~4 27.9 0.72

これも勝敗を太字で現していますが、クレードルあり・なしにほぼ差はありませんでした。違いは誤差レベルです。

というわけで、私の検証では「クレードルを使ってWi-Fi接続しても通信速度が変わらない」という結論が出ました。

 

このテストをした場所はピンポイントエリア判定で「△」の私の自宅です。

下りはソコソコの数値が出ていますが、上りの速度が1.0Mbpsを下回っているのは電波状況がよくないからです。

私はここで普段はホームルーターのL02を使っています。L02だと上り2.0Mbps前後まで出るので普通に使う上で全く問題ありません。

【検証3】LANケーブル接続で通信速度が変化するか

最後にWX05+クレードルの組み合わせに、LANケーブルで接続すると通信速度が変化するのかを検証しました。

ここまで、電波受信レベル・Wi-Fi接続の通信速度にクレードルの効果を感じなかったので、これが最後の砦です。

WX05+クレードルにLANケーブルでノートパソコンを接続

テストに使ったのは、ノートパソコンのVAIO Pro13 mk2です。ノートパソコンですが右側にLANポートが付いていて有線接続できます。

スピードテストはインターネット回線の速度テスト | Fast.comを使いました。

【結果】LANケーブルで接続しても通信速度が変わらない

最後の砦だったのに「LANケーブル接続しても通信速度がかわらない」という残念すぎる結果でした。

スピードテストの結果を表にまとめました。

下り(Mbps) 上り(Mbps) Ping(ms)
WX05 本体のみ 50 7.7 85
WX05+クレードル(Wi-Fi接続) 57 6.8 86
WX05+クレードル(LANケーブル) 58 6.2 91
WX05+クレードル(LANケーブル) 54 7.4 92

表の下2行がクレードルにLANケーブルで接続したテスト結果ですが、本体のみ・本体+クレードル(Wi-Fi接続)とほぼ変化がありませんでした。

誤差レベルですが、上り・Pingはクレードルを使わない「本体のみが一番良い」という結果でした。

というわけで、私の検証では「LANケーブルで接続しても通信速度が変わらない」という結論が出ました。

【結論】WX05のクレードルは買う必要ない

ここまで読んでもらえれば、「WX05クレードルは買う必要ない」って分かりますよね。

検証結果をまとめると↓こうです。

  • 電波受信レベルが良くならない
  • クレードルを使ってWi-Fi接続しても通信速度が変わらない
  • LANケーブルで接続しても通信速度が変わらない

私の検証では、WX05のクレードルのメリットは「充電しやすい」だけです。充電しやすさのためだけに買うのはバカバカしいのでやめましょう。

ただ、他のサイトは「通信速度が速くなった」「効果があった」と紹介しているところもあります。

どちらを信じるかは読んだ方次第ですが、「こういう検証結果もある」ということも心に留めておいてください。私は通信性能向上の効果を期待していたのでとても残念でした。

クレードルに効果がない以上、WX05はライバル機種W06と本体だけの性能の比較が重要になります。WX05に決めてた方も、もう一度検討してみる価値があると思います。

WX05のライバル機種 W06との比較は以下の記事で詳しく解説しています。

\W06・WX05を実機テストしたレビュー/

W06 WX05の比較・検証はこちら

 

ホームルーターの中古がおすすめ

WX05のクレードルを使って「家での通信品質向上」「LANケーブル接続」をしようと考えていた方におすすめなのがホームルーターの中古にSIMを挿して使う方法です。

ホームルーターはその名の通り家用の据置型のルーターで、モバイルルーターのように「コンパクト」「充電式」という制約がありませんからパワフルで通信性能が良いです。

私は普段ホームルーターのL02を家で使っているのでよくわかります。

L02の外観

WX05より遥かに速く快適にネットができます。

WX05とホームルーター(L02)の通信速度比較

WX05とホームルーター(L02)の通信速度を比較しました。結果がこちら↓。

モバイルルーター(WX05) ホームルーター(L02)
下り 上り Ping 下り 上り Ping
1回目 25.4 0.7 88 145 1.94 79
2回目 22.6 1.2 90 58.1 1.92 78

見事にL02の全勝という結果になりました。しかも大差をつけています。

電波状況の悪い自宅の中で、一番ましな場所にルーターを置いて、直線距離で6、7メートル離れて壁2枚隔てた部屋でスピードテストしました。

そんな場所でもサクサク使える通信速度がでるので、家で使うならホームルーターが絶対おすすめです。

SIMカードのサイズが合うホームルーターを選ぶ

今最新のモバイルルーター2機種(W06・WX05)のSIMカードは、「nanoSIM」という一番小さいサイズのSIMカードです。

このSIMカードと同じサイズを使うホームルーターを選べば、差し替えるだけで使えます。nanoSIMカードのホームルーターは以下の3機種です。

  • Speed Wi-Fi HOME L02
  • WiMAX HOME 01
  • Speed Wi-Fi HOME L01s

おすすめは太字のL02とL01sです。L02が最新で私も使っている機種で、L01sはその1つ前の機種です。中古の相場はL02が7,000~8,000円、L01sだと3,000円前後

「持ち歩いて使うのがメイン」なら安いL01sで十分だと思います。逆に「ほぼ家で使って、たまに持ち出す」ならL02がおすすめです。

後者の方はL02で契約して、WX05を中古で買って持ち歩く方が経済的です。WX05は中古で4,000円前後で購入できます。

効果が期待できないWX05のクレードルを買うより絶対に良いと思います。

(中古の相場は2020年1月にメルカリで調べました)

HOME 01はNECが初めて作ったホームルーターで、私も買って試しましたが通信速度は遅いし、通信が安定しなくてダメでした。以下の記事でレビューしています。(後継機のHOME 02は少しマシになっています。)

まとめ

WX05のクレードルを独自で検証して「通信性能が向上する効果はない」と分かってしまいました。

補助アンテナが付いているWX05のクレードルは、コンパクトに作らなきゃいけないモバイルルーターの弱点「アンテナの小ささ」「Wi-Fi出力の弱さ」を補う魔法の道具のようにPRされていますが、その実は完全にまゆつばでした。

WX05 クレードルの箱

買うかどうか散々悩んだ末に、思い切ってAmazonで3,980円で買ったのに残念すぎます。

というわけで、当サイトではWX05クレードルの購入はおすすめしません

家での通信品質を上げたいなら、中古のホームルーターを買うのがおすすめです。やっぱり餅は餅屋じゃないけど、家用はホームルーターがに勝るものはありません。

私はホームルーターのL02を家用のネット回線として使っていてとても満足しています。WiMAXの電波状況が悪い我が家でも快適にネットが使えています。

\どこよりも詳しい実機レビュー/

Speed Wi-Fi HOME L02 レビュー