
無制限に使える工事不要のWiFiを探していますね?
いきなり結論を書くと、工事不要のWiFiで無制限に使えるサービスはありません。無制限を期待して契約しても、必ず速度制限されるので騙されてはいけません。
この記事で分かること
- 工事不要のWiFiに「無制限はない」と断言する理由
- 工事不要のWiFiサービスの種類と制限
- 制限あるけど沢山使えるWiFiおすすめ3選
申込ページに「無制限」「使い放題」と書いてあっても、必ずどこかに速度制限に関する注意書きがあります。それってどうなの?と私も思いますが、実状を知って騙されないことが肝心です。
工事不要のWiFiサービスに「無制限」を期待している方は、読んで損はない内容になっています。最後まで読んでいただければ、制限を納得した上でWiFiサービスを選ぶことができます。
目次
- 工事不要のWiFiに「無制限はない」と断言する理由
- 【理由1】必ず制限に関する注意書きがある
- 【理由2】キャリアより安くて大容量はあり得ない
- 【理由3】最初は無制限でも利用者が増えると制限される
- 工事不要のWiFiサービスの種類と制限
- 工事不要のWiFiは「制限があるから安定して使える」
- 制限あるけど沢山使えるWiFiおすすめ3選
- 昼間は制限なしで使えるWiMAX
- 1日7GB使えるhi-ho Lets Wi-Fi
- 1ヶ月100GB使えるそれがだいじWiFi
- まとめ
工事不要のWiFiに「無制限はない」と断言する理由
工事不要で使えるWiFiサービスに、無制限はありません。そう私が断言する理由は以下の3つあります。
- 【理由1】必ず制限に関する注意書きがある
- 【理由2】キャリアより安くて大容量はあり得ない
- 【理由3】最初は無制限でも利用者が増えると制限される
ひとつずつ詳しく解説します。
【理由1】必ず制限に関する注意書きがある
サービスの申し込みページに「無制限」や「使い放題」と書かれていても、どこかに必ず制限に関する注意書きがあります。例えば↓これは20020年8月までのTHE Wi-Fiの公式ページです。
(2020年9月に無制限での受付を終了し、現在は1ヶ月100GBという通信量の上限があるプランで運営しています。)
「データ通信容量 無制限」とハッキリ書いてありますが、少し下にスクロールすると以下の注意書きがあります。
※1 契約者間の利用の公平を確保し本サービスを円滑に提供するため、弊社のネットワークを継続的かつ著しく大量に占有する通信をされた場合、速度や通信量を制限することがあります。
小難しい言葉で書かれていますが、簡単に言えば「長く・大量に使うと速度制限します」という注意書きです。そして、実際に利用者は速度制限されて苦しんでいました。
#THEWiFi
相変わらずですね。これに金払ってんの辛い。使用中のインターネットの速度は: 950Kbps. お使いのインターネットの速度はどのくらいですか? https://t.co/38IhBcREHN
— YU@Minimalist (@Bd18H) August 24, 2020
通信が完全に途切れるわけじゃないので、考えようによっては無制限かもしれませんが、950kbpsでは現実的に使い物になりません。動画は観れないし、WEBやSNSもかなり遅さを感じるレベルです。
「無制限のはずなのに速度制限の注意書きがあって、実際に制限される」というのが現状です。申し込みページの「無制限」を真に受けてはいけません。
ここで例に挙げたTHE WiFi以外のサービスも、無制限やそれらしい言葉が書かれていても、必ずどこかに速度制限の注意書きがあります。要するに、無制限ではないわけです。
他のサービスの制限についてはこちらで詳しく書いています。
【理由2】キャリアより安くて大容量はあり得ない
工事不要のWiFiサービスは沢山ありますが、基本的に使っている電波はキャリアの物です。ですから、基本的に「キャリアより極端に安い・大容量」というのはあり得ません。
ここで言うキャリアはドコモ・au・ソフトバンクの大手3キャリアと、WiMAX・楽天の5社です。他のサービスは全て、電波を借りている業者か代理店です。
楽天はRakuten UN-LIMITで無制限を謳っていますが、エリアが都市部に限定されるし、今後利用者が増えた時に無制限を維持できるかは分かりません。
他のキャリアに関しては、完全無制限のプランはありません。(5Gプランを除く)
それなのに、キャリアから電波を融通してもらっているサービスが、無制限プランを安く販売してビジネスモデルが成立するわけがありません。
日本の通信事業は、基本的にキャリアが儲かる仕組みになっています。
それなのに、本当の意味での「無制限のWiFiサービス」ができてしまったら、キャリアに高い利用料を払う人がいなくなってしまいます。だから「工事不要の無制限WiFi」なんて夢物語なんです。
【理由3】最初は無制限でも利用者が増えると制限される
サービスがスタートした直後は「無制限」と勘違いするくらい使えたサービスも、利用者が増えると制限されるようになるというパターンを、これまでにいくつも見てきました。
その代表格が、2019年3月にサービス開始したどんなときもWiFiです。
どんなときもWiFiの事例
どんなときもWiFiは、2020年10月31日には無制限プランを終了させます。今までになかった「無制限のモバイルWiFi」が売りで爆発的に利用者が増えたんですが、それが仇になった形です。
私も実際に契約して2019年7月にテストしましたが、1日100GB使っても速度制限されず驚きました。(下写真がテスト時の通信量・通信速度の記録です。)
しかし利用者が急増する中で、私のような「一時的なテスト」での大容量通信ではなく、日常的に大容量通信する利用者が増えて、ネットワークを圧迫するようになりました。
そして、2019年8月末に1回目の大規模な通信障害を起こし、その後、月末になると速度低下するようになって、2020年2月末~3月にまた大規模な通信障害が起きました。
この時、障害の期間が長かったこともあって、炎上状態になり多くの利用者が解約しました。これでネットワークに余裕ができたかと思っていましたが、10月末で終了すると発表されました。
終了に至る経緯が運営会社の発表資料で説明されていますが、「採算が合わないから続けられない」と書かれています。
どんなときもWiFiの類似サービスも要注意
どんなときもWiFiには、同じシステムを使う類似サービスが沢山あります。サービス終了はしていなくても、無制限プランの新規受付を停止しているものがほとんどです。
Mugen WiFi・よくばりWiFi・めっちゃWiFi・ギガゴリWiFi・限界突破WiFi・THE WiFi・ZEUS WiFi・FUJI WiFi・hi-ho GoGo Wi-Fi・どこよりもWiFi・クラウドWiFi東京 など
もし、まだ新規契約できるようなサービスがあっても、「無制限」を信じて契約してはいけません。近い将来、どんなときもWiFiと同じ道をたどるのが見えています。
実際に前述の類似サービスのうち、今も公式ページに「通信量の上限が書いていない」のはクラウドWiFi東京だけです。他は受付停止中か上限ありのプランに変更しています。
工事不要のWiFiサービスの種類と制限
ここでは、工事不要のWiFiサービスの種類と、実際の制限について解説します。
各社「無制限」や「使い放題」っぽくPRしていますが、実際は「無制限じゃない」ということが分かると思います。
1.WiMAX は「3日で10GB」
WiMAXは工事不要のWiFiサービスの老舗の定番サービスです。持ち歩けるモバイルルーターと家用のホームルーター両方ラインナップしています。
公式ページ:UQ WiMAX
WiMAXは「ギガ放題」というプラン名ですが、「3日で10GB」という通信量による速度制限があります。回線元のUQ WiMAXの注意書きが下画像の赤枠の部分です。
見出しや表の中には、「ネットがたっぷり楽しめるギガ放題」「月間データ量 上限なし」と書かれていますが、すぐ下に制限の注意書きがあるというちぐはぐな状態です。
とは言え、注意書きが目立つように書いてあるだけ良心的です。
3日10GB制限の内容
制限の内容は、WiMAXを3日間で10GB以上使うと、翌日の夜(18時頃~翌2時頃)に通信速度が1Mbpsに制限されるというもの。ポイントは以下の3点です。
- 速度制限されるのが夜だけ
- 通信量の積算期間が3日で短い
- 制限速度が1Mbpsでゆるい
速度制限されるのは夜だけなので、朝から夕方までは高速通信できます。通信量の積算期間が短いので、スマホのように「月末までパケ死状態」ということもありません。
また、制限速度の1Mbpsという速度は「Youtubeの360p画質が止まらず観られる」レベルなので、遅さは感じますが全く使えない程ではありません。
この制限は回線元のUQ WiMAXでも、GMOとくとくBBなどのプロバイダ(代理店)でも同じです。
2.ソフトバンクエアーは「混雑・高負荷時」
ソフトバンクエアーも工事不要WiFiの定番サービスで、端末は家用のホームルーターのみです。
公式ページ:SoftBank Air(ソフトバンクエアー)
ページの各所に「ネットし放題」「データ容量制限なし」と書かれていますが、制限に関する注意書きがあります。小さくて見にくいですが、下画像の赤枠の部分です。
※1 ベストエフォート形式のため、お客さまの通信環境により実際の通信速度は変化します。ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
ソフトバンクエアーの制限の注意点
ソフトバンクエアーの制限は、「具体的な数字が一切明示されていない」というのが注意点です。数字が書かれていない以上、いつどういう制限をされるかわからないわけです。
制限に関する詳細ページにも、今は↓こんな記述があるだけです。
サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
- ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
- 特定のエリアでネットワークが高負荷となった場合、該当エリアのお客さまについては、サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
出典:SoftBank Air(ソフトバンクエアー) の速度制限などについて
https://www.softbank.jp/ybb/air/data-about/
制限される通信量・制限時間・制限速度など、なにひとつ具体的な数字が書かれていませんよね。これはあんまりだと思います。
ここを言い出すときりがないですが、「無制限ではない」ということが分かってもらえたと思います。
3.クラウドSIM系WiFiは「大容量通信した場合」
クラウドSIM系のWiFiは、前述した「どんなときもWiFi」や「THE WiFi」などのサービスで、「無制限」を堂々と謳っています。(今は新規受付停止や「上限あり」のプランに移行してるサービスが多い。)
ここでは、代表としてどんなときもWiFiを例にします。
「データ容量無制限」「ネット使い放題」と書いていながら、制限に関する注意書きがあります。こちらも小さいですが、下画像の赤枠の部分です。
※1国内外の通信会社では、ネットワーク品質の維持および公正な電波利用の観点から、著しくネットワークを占有するレベルの大容量通信をされた場合、該当のお客様に対し通信速度を概ね384Kbpsに制限する場合があります。また違法ダウンロードなどの不正利用の疑いがある場合、ご利用停止を行う場合があります。
クラウドSIM系WiFiの制限の注意点
クラウドSIM系の無制限プランも、制限の注意書きに「具体的な通信量が明示されていない」です。ですから、どれだけ使ったら制限されるか分からないわけです。
これはどんなときもWiFiに限らず、類似サービス全てに言えます。
そして、実際に「月200GB」「月150GB」「1日10GB」「1日5GB」など色んなパターンで利用者が速度制限されています。しかし、運営側は「制限はしていない」の一点張りでした。
だから利用者は、制限を感じたら「速い回線を掴むまで端末の再起動を繰り返す」しかありませんでした。どこが無制限なんだ!という話ですよね。
というわけで、クラウドSIM系の無制限WiFiも、実際は制限がありました。
工事不要のWiFiは「制限があるから安定して使える」
ここまで読んでもらえれば、電波を使う工事不要のWiFiに「無制限はあり得ない」と分かってもらえたんじゃないかと思います。そして実際にどのサービスにも速度制限があります。
逆説的ですが「制限があるから安定した通信品質で使える」とも言えます。
どんなときもWiFiは、「無制限」を謳ったばっかりにデータ量を異常に使う利用者が集まってしまいました。そして、ネットワークを圧迫してサービスを維持できなくなりました。
回線を貸してるキャリアに上限のあるプランしかないのに、借りる側で「無制限」「安い」を両立させられるわけがないんです。採算が取れないのは火を見るより明らかです。
このどんなときもWiFiの例で、工事不要のWiFiでは無制限を謳うことも、無制限を求めることも現実的じゃないとハッキリしました。
実際に、どんなときもWiFiの類似サービスは続々と「上限があるプラン」に変更させています。古くからあるWiMAXも、通信量による速度制限があるし、ソフトバンクエアーも無制限ではありません。
工事不要のWiFiに「無制限はない」「制限があるから安定して使える」と理解してください。
制限あるけど沢山使えるWiFiおすすめ3選
「工事不要のWiFiに無制限はない」と分かってもらえたところで、ここでは制限があるけど沢山使えるWiFiのおすすめを3つ紹介します。
工事不要で使える!自宅におすすめWi-Fi3選と必聴の注意点 でも詳しく解説しています。
昼間は制限なしで使えるWiMAX
WiMAXは工事不要WiFiの王道で、「昼間は制限されない」「通信速度が速い」「ホームルーターもある」ので家用のWiFiにも人気です。(私は自宅兼事務所のネット回線にWiMAXのホームルーターを使用中)
WiMAXは通信量が「3日で10GB」という制限値があります。しかし、制限されるのはオーバーした翌日の夜(18時頃~翌2時頃)だけです。オーバーしていても昼間の時間帯は高速通信ができます。
通信速度は電波状況にもよりますが、周波数の高い電波を使っているので速いです。下写真はこの記事を更新している2021年4月8日午後3時ころのWiMAXの通信速度です。

下り 87.5Mbps・上り 0.98Mbps・Ping 65ms
コンセントに挿して使うホームルーターなら、アンテナ感度が良くてWiFiも遠くまで飛ぶので、家用のWiFiとしても快適に使えます。(私はSpeed Wi-Fi HOME L02(下写真)という端末を使っています。)
動画を観すぎて3日10GBをオーバーしても、昼間は速度制限されないので仕事への影響はありません。制限の条件がハッキリしているので使いやすいです。
契約するならGMOとくとくBBがおすすめ
WiMAXを契約するならGMOとくとくBBがおすすめです。理由はシンプルに「最安だから」です。
2021年4月は最大33,200円のキャッシュバックが貰えて端末代無料、実質月額3,844円で使えます。回線元のUQ WiMAXだと端末代が16,500円かかって、実質月額が5,060円になってしまいます。
WiMAXはどこで契約しても、通信品質や速度制限の条件は同じなので、安いキャンペーンを利用するのが鉄則です。
1日7GB使えるhi-ho Lets Wi-Fi
hi-ho Lets Wi-Fiは、1日7GBまで使えるWiFiサービスです。
毎日7GBギリギリまで使えば月間200GB以上使えます。この通信量は工事不要のWiFiサービスで最大クラスです。
クラウドSIM系のWiFiサービスなので、使う電波は大手3キャリアのスマホ回線です。前項のWiMAXより通信速度は遅いですが、エリアが広くてつながりやすいのが特徴。
速度制限は、1日の通信量が7GBをオーバーした翌々日に終日128kbpsされるという条件です。通信速度が遅いし1日中使えなくなる厳しい制限です。
ですから、hi-ho Lets Wi-Fiは「絶対に7GBをオーバーしないように使う」のがポイントです。
2年契約で月額料金は4,730円。端末代は無料です。月々200GB以上使えて月々4,730円は安いです。
1ヶ月100GB使えるそれがだいじWiFi
それがだいじWiFiは、月100GBまで使えるWiFiサービスです。クラウドSIM系なので大手3キャリアの電波が使えます。
料金が3,718円/月で安いのが魅力で、月単位の通信量制限なので短期の大容量通信にも対応できます。
前項で紹介したhi-ho Let’s Wi-Fiは、1日7GB(最大200GB以上)で4,730円/月ですが、それがだいじWiFiは月100GBで3,718円/月です。
通信量が1ヶ月100GBで足りるのであれば、それがだいじWiFiの方が安いし無駄がありません。
通信量の制限は月単位なので、使い方が日によって差がある方や、OSやゲームのアップデートなど単発の大容量通信にも対応できます。
1ヶ月の通信量が100GBで足りる方は、それがだいじWiFiが安いのでおすすめです。
まとめ
このページでは、工事不要のWiFiサービスに「無制限はない」という点を詳しく解説しました。要点をまとめると以下の3点になります。
この記事の要点
- キャリアの電波を使う工事不要のWiFiに無制限はあり得ない
- 無制限を売りにしていたどんなときもWiFiは無制限をやめた
- 制限があるから、通信品質が安定して使える
工事不要のWiFiを調べていて、もし「無制限」とかそれらしい言葉でPRしているサービスがあっても、絶対に無制限には使えないので、騙されて契約してはいけません。
本当の意味での無制限でWiFiを使いたいなら、工事をして光回線を引きましょう。
工事不要のWiFiは「制限の中で工夫しながら使う」物です。長文お読みいただきありがとうございました。自分の使い方に合ったWiFi選びの参考にしてください。